タロット、クロスにルーペ
忘れ物はない?
開店間際は
人がまばらな
商業施設
御座候をすり抜ける
笑顔にできたなら
今日のご褒美
眠れず過ごした夜も
味方につけるよ
駆け出しの占い師
タロット、クロスにルーペ
忘れ物はない?
開店間際は
人がまばらな
商業施設
御座候をすり抜ける
笑顔にできたなら
今日のご褒美
眠れず過ごした夜も
味方につけるよ
駆け出しの占い師
僕が育てたら
枯らしてしまうからと
そっと返された
サボテンの植木鉢
たまに愛でて
くれるだけでよかった
あなたの部屋で
咲いてみたかった
夕日がアスファルトを
焦がす
学生の帰り道
制服と一緒に
入ってきたのは
あなたが熱心に
教えていた生徒達
今年は何人を
希望の場所に
送りだせた
腕まくりした
シャツを重ねた
夕暮れ
店の真ん中で
足を止める存在だった
花をつけなくなった
片隅で
見切り品
順番を譲る日
きたけれど
再び活躍してもらうよ
こっちの庭は
日がよくあたる
もう一花
咲かせよう
起きてるかな
願いを込めて送った
カード
「かわいいね」の一言
期待してたのと
違った
だけど胸がいっぱいで
画面を閉じた
こびりついた
水滴を払った
その先に
群に戻るあなた
気づかれぬよう
見届けるのが
精一杯
西へむかうよ
羽根を一枚
水辺に浮かべて
前編「小鳥の憧れ」
帰るまで待っててね
何日たった
静まりかえった部屋
「かわいいね」と
抱きしめてくれたこと
菜の花匂う川辺の
散歩道
そのとき
鍵を開ける音
あなためがけて
胸の中へ飛び込んだ
あなたな気配がないの さみしい
離れていても
僕の名前を呼んで